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2026年4月27日月曜日

Vol.42 素材について(合わせの革 サドルプルアップ)

 



皆さんこんにちは


今回はコハクロコ コレクションの合わせの革についてです。

長らくプエブロを使用してきましたが今回は琥珀というイメージを踏襲したかったので

ある程度のツヤ感が欲しかった。そこで行き着いたのがこちら



サドルプルアップ(牛革)です!

ベルギーの名門タンナー、マシュア社(1873年創業)が手掛ける

タンニン鞣しの上質な牛革で美しい透明感が特徴の一つです。

見てください。コードバンと見まがうほどのツヤ感!そして透明感!!



そのくせコードバンに勝るとも劣らないタフな耐久性を誇り、

表面のトラ(しわ)や血筋からも見て取れるように野性味も満点。

キズなど気にせずガシガシ使用していただきたいおすすめの牛革の一つです。



そしてその名の由来となる特徴がもう一つ。

サドルはいわゆる鞍、馬具を意味し主にそれ用に作られた背景があります。

ですのでもともとは非常に繊維密度の高いカチカチで堅牢な革だったそうですが、

時代の流れに伴い油分をふんだんに含ませ柔軟性を増すことで

広い用途に使えるようにしていったそうです。

この革は曲げたり裏から指で押したりすると油分が繊維内を移動し、

圧をかけた部分の色が薄くなります。

これがいわゆる「プルアップ効果」と言われるもので

名前の由来となった最大の特徴になります。

折り目の部分の色がやや薄くなっているのがプルアップの証(暗い!)

最近は表面に顔料を少し乗せており、

プルアップ効果がはっきりとは見て取れなくなってきておりますが

油分はたっぷり含んでおり乾拭きだけで美しいツヤが出てきます。


今回残念ながら経年変化のサンプルがございませんが、その楽しみも含めて

お楽しみいただけますと幸いです。



では、今回はこの辺で。


管理人Y


Vol.41 素材について(コハクロコ コレクション)

 


皆様、こんにちは。


4月も半ばを過ぎあたたかさが増してきましたね。

夏日もちらほら観測され、もはや春は希少な季節になりつつありますね

そして、アッという間に暑い長い夏がやってくる。。

毎年春は着るものに困りますが、悩んでる間にあっという間に夏が来て、

そのせいか春服が増えることはないという

季節の移ろいを大枠(夏と冬)でしか楽しめない管理人Yです。。


さて本日はコハクロコ(琥珀クロコ)についてです!




その前に琥珀について少々。


琥珀は数千万年前の松や杉などの樹木が分泌した樹脂が地中で固まり、

化石化した天然の有機物です。ヒーリングストーンとしても認知され

浄化や癒しに用いられます。

硬度が低く、火にかけると何と香りを放ちながら燃えるそうです!

写真のようなうっとりするような複雑で深みのある茶色が大きな特徴です。



革の話に戻ります。

前回のアイクロコ(藍染)と同様、ベジタブルタンニンベースのヌメクロコに

琥珀色の酸性染料による染めを施す方法を採用。

もちろん藤豊工業所さんの手によるものです!

手間がかかる分、希少性もコストも高いですが何といっても色味が深いのが特徴!


見てください!斑のひとつひとつに現れる色の濃淡!

鱗ひとつひとつの下側のしわのある部分に色が濃く溜まりこれが立体感を生み出します。

レザーファンの心をくすぐる実に神秘的な色合い。

なぜか心惹かれますよね、この色。

今回琥珀になぞらえて「コハクロコ」と名付けました。



ぜひ、皆さんの手で唯一無二の複雑な琥珀色に育てていっていただければ

何よりです。

次回は合わせの革 サドルプルアップについて。



それでは、今日はこの辺で


管理人Y



2025年11月10日月曜日

Vol.40 素材について(アイクロコ コレクション)

 


皆様、こんにちは。


11月に入り肌寒さが増してきましたね。

紅葉も昨今は時期がずれ、やっと木々が色づいてきた感じではないでしょうか?

冬の訪れを感じさせる、そんな日々です。


さて本日はアイクロコ(藍染クロコ)についてです!



以前より「藍染は使わないのか?」というお声をたくさんいただいておりましたが、

今回大変状態の良い藍染クロコと出会うことができたため、試験的に生産に踏み切りました。



市場に出回っているクロコの藍染めは大別すると2種類あり、

その大半を占めるクロームベースのクラストに藍染を施す方法と、

ベジタブルタンニンベースのヌメクロコに藍染を施す方法で、今回は後者を採用。

手間がかかる分、希少性もコストも高いですが何といっても青味が深いのが特徴!

注:ちなみに墨染めの場合ヌメクロコに墨染色しても藍染のように美しく発色しません。不思議です。


【SEEGER】アイクロコ×プエブロ マルチコインケース Hades(ハデス)インディゴ×ペトローリオ



そして私が考えるこの藍染クロコの最大の魅力は

斑のひとつひとつに現れる色の濃淡だと思います。



藍染めに限らず他のクロコにも言えることですが、

斑の一枚一枚に色の溜まる色の濃い場所、

タニ(斑と斑の間を走るみぞのこと)に近いところや

色の薄い場所ができます。これこそが表面の立体感を強調し、

さらに複雑で幻想的な存在感を醸し出してくれるのだと思います。

特にこの藍染めはその青の濃淡を存分に味わえる素晴らしい仕上がりです。


ここだけ切り取ると青い焔(ほむら)を連想させます。幻想的ですよね。


この表情を実現できたのはベジタブルタンニンでなめした上に藍染を施したからこそ!

一般的な藍染クロコとは一線を画した実に珍しい玄人好みな藍染革に出会えたこと

に感謝です。(藤豊工業所さんいつもありがとうございます)


というわけで、今回の藍染は革そのものの品質の高さに加え、青味や

その特殊な製法による唯一無二の幻想的な表情が

特別感を味わわせてくれること間違いなしです。

ぜひ店頭にてその質感をお確かめいただけると幸いです!

※2025/11~2026/1までFREE SPIRITSの八重洲店とみなとみらい店でご覧いただけます。



それでは、今日はこの辺で


管理人Y







2025年7月24日木曜日

Vol.39 素材について(スミクロコ コレクション)

 



皆様、こんにちは。


大変ご無沙汰しております。

何とか生き永らえておりますが、しかしなんという暑さ!!

灼熱地獄ですね。

水分補給をしっかりして熱中症には十分に注意しましょうね。


さて今回はすでに展開している特別生産品のスミクロコ(墨染めクロコ)について

少しご説明をしたいと思います。


墨染めは近年彗星のごとく登場した、純和風のニュアンスが強い墨汁での染色を施した

クロコで、その陰影は水墨画を彷彿とさせ、海外ではまずお目にかかれないであろう

侘び寂びを感じさせる、日本ならではの美しさを表現した最高級クロコです。


鱗一つ一つに濃淡が付き独特な表情になっています。


こちら鞣しはもちろん藤豊工業所。

ただし今回は前出のヌメクロコやヒマラヤと違い、基本はクローム鞣しとなります。

その理由は渋(タンニン)鞣しだと墨が定着しにくく、墨汁の特徴を生かした黒に

仕上がりにくいためです。

とはいえ日光堅牢度は4級以上を保持、

品質の高さはまさに”お墨付き”の特別仕様となります。



合わせの革はおなじみプエブロのネロ(ブラック)をチョイス!和紙を連想させる質感が

水墨画のイメージに重なります!



また、一部モデルに関しては定番でも使用しているボーダーハードのブラックを合わせ、

よりビジネスライクなコンビネーションにしております。




今回のコンビネーションは同系色で、ある意味トーンonトーンの醍醐味を

経年変化とともに堪能できてまた違った楽しみ方をしていただけるのではないかと思います。



それでは、今日はこの辺で


管理人Y




2022年3月20日日曜日

Vol.35 Circus Of Happinessで使われている英国産ブライドルレザーについて

 



皆様、こんばんは。


今日はCircus Of Happiness(サーカス オブ ハピネス)で使われている皮革、

英国産ブライドルレザーについて掘り下げていきたいと思います。


と、その前に。

明日3月21日でCircus Of Happiness(サーカス オブ ハピネス 以下COH)を

オリジナルブランドとして展開していらっしゃるエディットショップ、

CIRCLEさん8周年だそうです。

こんなご時世の中、実店舗を継続して運営することだけでもすごいことなのに、8年!!

お客様を愉しませ続ける努力を常に惜しまない、その姿勢に脱帽です。

おめでとうございます!!



さて、ブライドルレザー。行きましょう。

この名を耳にしてまず思い浮かべるのは、「ブルーム」でしょう。

ブライドルレザーは鞣しの過程で蜜蝋や油分をブレンドしたロウを

革に浸透させることで強度を増幅する効果があるといわれていますが、

ブルームとは革の表面に浮き出ているそのロウ分のことです。

表面にうっすらと白く筋状に見えるのがブルーム。使用による摩擦等により少しづつ消えてゆきます。


私見ですが、英国の歴史的名品にはゴム引きコートやワックスドジャケットなど

防水性を高めるために「擦り込む」「染み込ませる」といった発想から

生まれたオリジナリティの高いものが多いように感じます。

これは雨の多い独特の天候がそうさせたと思っており、ブライドルレザーも

その天候特性から生み出されたものだと考えます。

レザーは雨(水分)を吸収してしまうと部位にもよりますが伸びやすくなってしまい、

更に吸った水分が乾燥すると共に繊維内の油分も一緒に抜け、

結果小さな負荷でも簡単に切れたりします。

そういった脆い点を補うべく繊維内にロウ分を浸透させることにより、

馬具用の革としての耐久性を飛躍的に上げたのではないかと推測します。


そしてそれは生活に馬が欠かせなかった時代の話。

革の性質はそのままに、雨風に晒されることなく使えたなら、

唯一無二の経年変化を見せてくれるに違いないと思うのは私だけではないでしょう。


そんな思いを形にしてくれたのがCOH。

タンナーは明かされていませんが、紛れもない英国産ブライドルレザー。

堅牢度はもちろんのこと、経年変化も美しく何よりツヤ感の変化が出てきて

より美しく育っていきます。





カラーは上から順にブラック、ネイビー、グリーン、ウィスキーの4色展開。


ブライドルの仕上げはセミアニリンが一般的で、表面に少し顔料を使います。

中には表面だけ顔料で着色し、その上にブルームを乗せただけ、といった仕上がりの

なんちゃってブライドルも無数に存在します。

しかしCOHで使用しているブライドルは、染色から芯通しで行っている為、

コバ面も染料や顔料を入れることなく、そのまま丸みを出して素磨きで仕上げても

着色され磨きあげられたたかのような仕上がりに。

細部へのこだわりが、最終的に違いを生みます。


使い始めはブルームをブラッシングや乾拭きで落としていただいてでも、

そのまま使い進んでいただいても大丈夫です。

日常的には手で撫でたり乾拭きをしていただければ十分ですが、

半年に一回程度ロウ成分の入った革用クリームを塗布して磨いていただくと、

独特のツヤを纏った英国紳士さながらのエイジングを味わえると思います。


個人的には英国の国民性や風土をそのまま反映するように、

何も気にせずガシガシ使っていただいて、歳を重ねていく過程を愉しんで

いただけるとよいなと思っております。

どんな悪天候や逆境にも耐えうるよう、先人の知恵から生み出された唯一無二の革、

ブライドルレザー。やわじゃないぜ、といったところでしょうか。


ぜひお愉しみください。



それでは今日はこの辺で。


管理人Y







2021年4月18日日曜日

Vol.28 素材について(ヌメコードバン コレクション)




皆様、こんにちは。


以前、Vol.24 「革のダイヤモンド」 の回で工程と詳細をご紹介させていただきました、

レーデルオガワのコードバンを使用した、特別生産ヌメコードバンコレクション!!

やっと商品が上がってまいりました!


今回採用したヌメ(素上げ)について

以前のご紹介から少しだけ掘り下げてご紹介していきたいと思います。

コードバンというとご存じの方も多いかと思いますが馬のお尻の革を裏側から削っていき、

コードバン層を「掘削」していく特殊な製法の革なわけですが、

表面はなめらかに起毛しており、これをグレージングという作業にて熱を加えながら

寝かしつけてコードバン特有の透明感のあるツヤを生み出します。



削り出した直後のコードバンです。

写真だとわかりにくいですが

うっすら起毛しております。

上質なヌバックのような手触り、

毛という感触は正直ほとんどないです。


これがグレージングを施すことにより、、

                




このようにつややかな表情に変わります。

やや焼けたようなヌメらしい色目に変化するのも

特徴の一つです。

これがいわば”素上げ”の状態。

果てしなく経年変化していきそうな表情ですね。







同じコードバンでもCIRCLEさんの別注(完売)でも取り扱わせていただいた

ホーウィンのシェルコードバンなどは

オイルをたっぷり含ませ、ややしっとりとした状態に仕上げるので

乾拭きだけでもギラっとしたアメリカらしい?魅力的なツヤが上がります。

しかし今回レーデルオガワ社のミモザ100%で丁寧に鞣したコードバンは

本来の「素」の質感から育て上げることを楽しんでいただきたく

トラやピンホールもそのまま生かし仕立てました。


そしてコードバンの表面はいわば”毛が寝ている状態”で、

撫でる方向によってはザラついた感触がするのが一つの特徴です。

これは寝かしつけた毛を逆撫でしている状態のため、

ザラつきが発生するわけです。

しかしこの向きを把握できていると、何と言いますか、素材への理解が深まり、

付き合い方が他の革と違うことがわかってきます。

他の皮革とは一線を画した特殊性を感じられるポイントの一つですね。

レーデルオガワの創業者、故小川三郎氏が魅了され、

生涯を捧げるほど情熱を傾けたのもうなずけます。



価格はホーウィンほどではないとはいえ、この特殊な工程と希少性から

通常の輸入牛革と比較しても5倍程度(!)の価格になります。

本物のコードバンはやはり超高級素材ですね。。


ちなみに合わせの革はプエブロ サビア。もうおなじみですね。良革です。



そして、、今回はもう一つご紹介。

レーデルオガワ社が研究を重ねて開発したコードバンケアワックスなのですが、

これがまたすごいんです!!

岐阜県産純粋蜜蝋やアルガンオイル、ホホバオイルといったオーガニックな成分を

惜しみなく使用しており、少量で美しいツヤが出ます。

まさにコードバンフィニッシャーが作った、コードバンのための最強ワックス!!

なのです。

これを、ご購入いただいた皆様ご購入1点につき1個

(なくなり次第終了となります)

プレゼントさせていただきます!!

※注意:多量に塗布しますと表面が曇ってしまう場合があります。

米粒1~2つ程度の量を薄く広く伸ばすように塗布してください。



新型コロナによる影響で未曾有の事態に直面し、誰しもが何某かの戦いを強いられている

状況下で、SEEGER、F&Hでも何か力になれないかと考えた結論です。


皆様に常に寄り添って、透明度の高いその表面に

皆様の時間、歴史をそのまま投影するような、

唯一無二の経年変化をワックスと共に楽しんでいただければ、もう言う事ございません。


各モデルにつきましては引き続きVol.29にてご紹介いたします。



それでは今日はこの辺で。


管理人Y














2020年10月27日火曜日

Vol.25 「革のダイヤモンド」 その2

 



皆様、こんにちは。


前回の続きになります。


コードバンがレーデルオガワさんにてどのように加工されているのか

その工程を拝見させていただきましたのでざっくりと

ご紹介していきたいと思います。


まずは、原皮について。

これは食文化の発達している国々(フランス、スペイン、ポーランドが主)

からの輸入が大半を占めるそうです。

国内調達は微量ではありますがやはり熊本、あと青森だそうです。


その原皮を世界屈指のコードバンタンナー、姫路の新喜皮革にて

ミモザタンニン100%のピット槽に漬け込み、じっくり鞣されたもの

がベースとなります。


写真は新喜皮革より入荷してきた状態のコードバンの加工前の状態。これをクラストともいいます。

トンボ掛けしたグラウンドのような模様が入っている面がカネ面(裏面)で、

この面を削ってコードバン層を表出させるわけです。


このクラストを原材料としてレーデルオガワでの加工が始まるわけですが、

最初の工程は油入れ、伸ばしです。

※画像はHPより引用させていただきました。

カラカラのクラストに温かい油分と水分の混合液(成分は企業秘密だそうです)

をひたひたになるくらい浸透させます。

その後、その日の気候や湿度などを考慮しながら画像の道具、スリッカーを使い

繊維を整えながら余分な脂と水分を抜き出します。


その後、乾燥させます。



工場の2階に風通しの良い干場があり、陰干しの自然乾燥を徹底していらっしゃいました。

写真は仕上げ乾燥用の部屋。最後は温度、湿度を一定にし乾燥させるそうです。


乾燥が終わると、次が削り出しです。

カネ面を熟練の職人さんが足踏みサンダーで削り出していきます。

コードバン層は約1㎜程度でクラストの中の限られた部分にしか存在しません。

非常に重要な工程です。



そしてコードバン層が表出すると周りの余分な部分(ザラ)を切り取ります。

ここまで完了するとこんな感じです。


え??ちっさ!!

大体メガネ(削り出す前の革の形状がメガネみたいなのでそう呼ばれる)から

この大きさのコードバン層が2枚取れます。この時点で手触りはツルスベです。

クラストが"メガネ”なら削り出したコードバン層はイメージ的には"レンズ”か。。。2枚取れるし。。。。

しかしレンズとは誰も呼ばない。。。。。ひらめいちゃった??いっそ名付けてしまおうか? レンズ!!!

基本薄型だぜい。削ったあとだし。。。。


コホン、えー、この次が削り出した繊維を寝かしつける作業、グレージングです。

このあたりは肝になる工程でコードバン特有の工程かと思います。


作業にあたるのは代表取締役の小川さん。



先端に瑪瑙(メノウ)のついた機械で表面の繊維を

一方向に寝かしつけていきます。

瑪瑙は約50~60℃に熱しているそうです。

みるみるうちにツヤが!!これぞ鏡面仕上げですね。



この次がいよいよレーデルオガワが最も得意とする染色、アニリン染めです。

アニリンは合成染料の一種ですが、先代の三郎氏が

独自に研究に研究を重ね編み出した

唯一無二、レーデルオガワオリジナルの染色方法です。

これは完全非公開で門外不出の工程だそうです。


染色後のコードバン。


「透き通る色」。。矛盾しているように聞こえますが、

この革を表現するには最適の表現かと思います。

染色したことがある私は、渋鞣しの革で色を美しく出すのがいかに難しいかを

ある程度知っています。

多くのタンナーは美しい色を染色ではなかなか出せないがために、

表面に色を"乗せる”んです。いわゆる顔料塗布ですね。

それはそれで発色の美しさや革表面の強度を与えます。

反面、革本来の質感は顔料を"乗せた"分だけほんの少し

伝わりにくくなってしまう側面もあります。


このレーデルオガワのコードバンの透明感が醸し出す凛とした美しさは、

発色の美しさ、コードバン特有の質感を高い次元で併せ持ったまさに

「革のダイヤモンド」!

明らかに格が違います。


梱包や出荷にも気を配っているそうで、可能な地域は基本

配達されているともおっしゃってました。

梱包もあまり見たことのない梱包。。。

傷がつきやすいので細心の注意を払っている証です。



いかがでしたか?今回私自身コードバンという革を深く知ることができ、

大変意義のある訪問になったなあと感じております。


お取り組みに向けても粛々と進行していきたいと思っております。

こちらも乞うご期待!!!



レーデルオガワの小川社長、飛田専務、この度はどこの馬の骨かわからない

私を快く受け入れてくださり誠にありがとうございました。

心より感謝申し上げます。



それでは今日はこの辺で。



管理人Y

2020年10月26日月曜日

Vol.24 「革のダイヤモンド」

 



皆様、こんばんは。


先日とあるタンナーさん、、、いや違った。フィニッシャーさんの工場に

お伺いしてきました。


フィニッシャー?と聞いて勘のいい方はお分かりかもしれませんが、そうです!

コードバンを専門に扱う世界屈指の染色加工会社(と称するべきか)、

レーデルオガワさんです!


工場は新しくモダンな印象(2017年に現在の千葉県柏市に移転、新たに建てられたそうです)。

※画像はレーデルオガワHPより引用させていただきました。


コードバンといえばアメリカのホーウィン社のシェルコードバンを筆頭に

近年では革靴や革小物の市場ではすっかり主流となりましたが、

なんと今から75年くらい前にこの革に魅了され、

人生を捧げた方が日本にもいらっしゃったんですね。

先見の明とはまさにこのことでしょう。

それがレーデルオガワ創業者の故小川三郎氏で、

私HPで氏の経歴を拝読いたしましたが、

心を掴まれました。そしてすぐ連絡。。。。

訪問させていただけることになったというわけです。


さて、朝早くから出迎えてくださったのは、

代表取締役の小川雅子さんと専務取締役の飛田英樹さん

(上の写真の中央にいらっしゃるのが小川社長。その右隣りが飛田専務です)。

お忙しいところ恐縮です。。。

お話した印象として、創業者の故小川氏の注いだ熱く深い情熱が世代を跨いで

しっかり受け継がれているのでしょう、

頑固さとは一味違う、良い意味の揺るぎない信念を感じるお二人です。



ここでコードバンについてご存じない方のために少しご説明しておきましょう。

コードバンとは馬のお尻の革で、しかもその革の繊維内に存在する

コードバン層をわざわざカネ面(裏面)から削り出すという、

従来のなめし革とは一味も二味も違う革です。

その繊維密度の高さは非常に高く、「革のダイヤモンド」などとも称されます。

確かに「削り出す」ところなどはダイヤの原石を磨く作業や発掘作業を

想起させますね。

※但し繊維密度が高いとはいえ、その強度が保たれるのは銀面(表面)を残した場合に限るそうです。

この銀面をあまり漉き落としてしまうとその強度は失われるとのこと。これは知らなかった。。。



削り出しの工程写真。使用している機械は足踏みペダルで調整するサンダー(やすり)です。

かなり古い鋳物で60年以上使用されており、今では手に入らない貴重な機械だそう。



コードバンの特徴や製造工程については前出の飛田専務が開設していらっしゃる

YouTubeチャンネルがとても丁寧で分かりやすいので(特に#3~#6、#10)、

ご興味のある方には大変おすすめです。

LEDER OGAWA YouTubeチャンネル


知った風な口をきいております私も実際のところコードバン製品を

使用したことがありません。いわゆる食わず嫌いです。

理由はそのデリケートさ。傷にも水にも弱いといわれていますよね。

使い込んだ表情は確かに魅力的です。ビカッとした色艶や存在感が

他の革とは全然違います。

でも、ズボラな私は水や傷から守ってあげられるか自信がありませんでした。


しかし今回の訪問で革の特性やケアについてもわかりやすく解説していただき、

個人的にもかなりハードルが下がりましたし、

使ってみようという気持ちになりました。

ちなみに前出のYouTubeチャンネルでも

非常にわかりやすく解説してくださってます。



さて、このコードバン、その部位の希少性や革に至るまでの工程を考えると

非常に特殊な革ですし、それゆえ大変高価です。

ホーウィンのシェルコードバンなどは高級輸入皮革の価格と比較しても、、

何と時にはゼロが1つ違ってきます(!)

しかし今回の訪問のようにその出来上がるまでの工程を目の当たりにしますと、

なるほど納得します。


完成品。写真では伝わりにくいかもですが、とてもきれいです。

ホーウィンのシェルコードバンとはまた違った凛とした美しさです。



長くなりそうですのでその詳しい工程については

次回ご説明いたします。



では、今日はこの辺で。


管理人Y





2020年5月23日土曜日

Vol.10 素材について(ヌメクロコ コレクション)




皆様、こんにちは。


今日はスポットで製作しましたヌメクロココレクションの素材について、

少し掘り下げていきたいと思います。


クロコダイル革、カッコいいですよね。

私もクロコ大好きで、あの何とも言えない色艶感がたまらないです

(一つも持っておりません。憧れだけです汗)。


*画像は藤豊工業所HPより


あの、人々を引き付ける魅力は何なんだろう、といつも思います。


私以前某レザーブランドにて営業経験がありまして、

クロコ商品企画に携わることが幾度かあり、黒、茶はもちろん

藍染めや柿渋染めなどの変化球も瞬殺で完売!!させたこともあったりして、

多少クロコ知ってるぞ!!という自負があります。


(注:誤解のないようにお伝えしておきますが、

完売したのはブランドバリュー、そして作った職人さんたち、

販売したスタッフの皆さんたちのおかげです)


しかしその携わってきた中でいつも疑問に思うことが一つあり、

しかしながら疑問のままにしてきたこと。。。。それは、、



“クロコはなぜ、クローム鞣しばかりなのか?”


です。

おそらく革との相性などでクローム以外では鞣せないんだろう、

と自己完結していました。


しかーし、やっぱいるんですよね、こういう定説というか常識を疑う方々が。

先代から数十年もの間、渋(植物性タンニン)鞣しのクロコを試行錯誤されている

国内屈指のタンナーがいるとのことで、行ってまいりました。それが、、、、


*画像は藤豊工業所HPより。


藤豊工業所 さんです!!




一般的に総流通量の9割以上がクローム鞣しと言われている中、

渋鞣しクロコ革の製造に長年取り組んで、近年クロームフリー、ホルマリンフリーの

環境保護に配慮したタンニン鞣しのクロコ革「エコレザー」をリリースし、

世界的にも注目を浴びているタンナーさんです。



周りの常識に流されず、「人の心を動かすレザーを作る」という高い志をもって

先代から長年取り組んでいらっしゃったその情熱と、品質、環境保護への配慮など、

時代の流れの変化にも対応されているところは大変共感できました。



今回仕入れさせて頂いたのは今まで見たことないクロコ革、渋鞣しのヌメクロコ。

*ご存じない方のために“ヌメ”というのはいわゆる素上げ、生成りだと解釈していただけると
よろしいかと思います。

渋鞣しの良さの一つがダイナミックな経年変化だと思っていますので、

それがヌメのクロコで味わえるなんて。。。。よだれ出ました。

種類はシャムワニの一等級になります。

実はシャムワニは一般和名でして、学名は”クロコダイル シャメンシス”

という何ともエレガントな学名がついております。

鱗の形状はイリエワニよりやや大きめの長方形なのが特徴ですね。




今後も様々なお取り組みをさせていただきたいタンナーさんです。

ぜひご期待くださいませ!



長くなっちゃいましたので、合わせの革については、次回にします。



それでは、この辺で。



管理人Y



Vol.11 素材について(合わせの革 プエブロ サビア)




皆様、こんにちは。


前回に続き、ヌメクロコ/ヌメコードバンコレクションの合わせの革についてです。



もはや説明不要かもしれないぐらい知名度が上がりました、

イタリアのバダラッシ・カルロ社が伝統的なバケッタ製法を

現代に蘇らせ作る銘革の一つ、プエブロです。


100%植物性タンニン鞣し、加えて牛の脚を煮沸して抽出した

「牛脚油」という油分を時間をかけてじーっくり加脂していく、

手間暇かかる製法で作っています。


また銀面(革の表面)に特殊な起毛加工を施してあるのもこの革の特徴で、



彫刻刀の丸刀のようなものでうっすらと無数に刃跡をつけたような、

一風変わった模様で起毛させており、和紙のような質感とも評されますが

とにかく独特な表情をしています。


使用していきますと、表面の毛が寝て光沢を帯び始め、

油分が大変抜けにくいため色の深まりとともにツルツルピカピカになる

という比較的短期間でダイナミックな経年変化が楽しめる革素材として

近年人気を博している革です。

※プエブロ サビアの経年変化の参考画像。左が使用8か月、ケアは乾拭きのみ、右が未使用品です。



今回SEEGERではカラーは表のヌメクロコに合わせて、サビアをチョイスしました。

いわゆるナチュラルにあたる色ですが、意外と他ブランドでは使われていないようです。

(コニャックが多いみたいですね)。




あ、そうそう、もう一つ自分の中での長年の“仮説”がありまして、、

それは、


“表の革は、裏に貼り合わせた革の特性によって経年変化の仕方が変わるのではないか?”


というものです。

これはですね、どこから湧き出たかというと、

以前所属していたレザーブランドで、ガルーシャ(エイ革です)の裏に

植物性タンニン鞣しの革を貼ったタイプと、クローム鞣しの革を貼ったタイプを

それぞれ数年使用したものを見比べることがあったのですが、


ガルーシャの経年変化が明らかに違う(ように感じた)んです。

タンニン鞣しを貼った方が、美しいアンティークカラーに育っており、

もしかしたら油分やタンニンの含有が貼り合わせた革の経年変化に作用している

のではないか?

もしかして裏からジワ~っと油分とタンニンが表に染み出してきてる?

と感じたのが発端です。



とはいえ、2種類作ってヨーイドンで検証するにはいたっておりませんが。。。。
いつかやってみよう!



まあ、そんな思いも片隅に置きつつ、このヌメクロコとプエブロ サビアとの

鉄板コンビネーション、ぜひ楽しんでいただければ幸いです。


では、今回はこの辺で。


管理人Y

2020年5月21日木曜日

Vol.8 素材について(1st コレクション)




皆様 こんばんは。



世界的に新型コロナが収束に向かうにつれ、徐々顕在化してきた「企業の倒産」。

私は国内外ファッション関連のビジネスに興味があるので注目していますが、

海外の著名百貨店や国内大手のアパレル企業などが経営破綻、といったニュースが

見受けられるようになりました。

営業自粛によるキャッシュフローの悪化が一番の理由だろうと推測しますが、

今回のコロナショックを受けて企業はまた将来的に

内部留保をするようになるでしょうねー。。。


ああ、未来を見たくない気分です、話し始めといて何ですが(苦笑)。





さてさて、今日はSEEGER(ゼーガー)1stコレクションの素材について、

少し書きたいと思います。

1stコレクションは2種類の革を使用しておりまして、

一つ目はメインの型押し牛革、ボーダーハードです!




厳選された北米産の原皮を姫路で鞣しており、

通常タイコという大型のドラム型洗濯機のようなものに

なめし剤なども入れて原皮を鞣すのですが、

このボーダーハードという革はドラム内の液体温度を

一般的な温度よりやや低く保たせながらクロームと渋(植物性タンニン)で

通常よりじっくり時間をかけて鞣します。


タイコ。*参考画像です



それにより銀面(革の表面)が緩まず引き締まった、

折り皺の入りにくい堅牢度の高い革に仕上がるそうです。


型押しの模様はフランスのデュプイ社のチェルケスや

ドイツのワインハイマー社のワ―プロラックスなどのそれに似ており、

傷に強く高級感あふれる表情です。







そしてもう一つが、リザードです!!




1stコレクションは 全てのモデルにおいて、

表から見えないパーツにワンポイントで同系色のリザードを使用しております。

さりげないリュクス感といいますか、

ちょっとした色っぽさ艶っぽさを加味しております。




使用しているのはリングマークトカゲの革で、

クロームと渋の合成で鞣してあるそうです。

リングマークトカゲというだけあって、原皮は輪っか状の文様が

たくさんついているのですが、

これは鞣しの過程でブリーチ除去することが多いそう。

リングマークトカゲの原皮。蛇のようにも見えますね。



リングマークトカゲは細かな鱗が大変美しく色っぽさを感じさせる革だなあと思います。

このワンパーツがデザイン上のアクセントになっております。



1stコレクションの素材については以上になります。


これからも希少な素材や面白い素材をどんどん使っていきたいと目論んでおります。



では今日はこの辺で。


管理人Y