皆様、こんばんは。
今日はCircus Of Happiness(サーカス オブ ハピネス)で使われている皮革、
英国産ブライドルレザーについて掘り下げていきたいと思います。
と、その前に。
明日3月21日でCircus Of Happiness(サーカス オブ ハピネス 以下COH)を
オリジナルブランドとして展開していらっしゃるエディットショップ、
CIRCLEさん8周年だそうです。
こんなご時世の中、実店舗を継続して運営することだけでもすごいことなのに、8年!!
お客様を愉しませ続ける努力を常に惜しまない、その姿勢に脱帽です。
おめでとうございます!!
さて、ブライドルレザー。行きましょう。
この名を耳にしてまず思い浮かべるのは、「ブルーム」でしょう。
ブライドルレザーは鞣しの過程で蜜蝋や油分をブレンドしたロウを
革に浸透させることで強度を増幅する効果があるといわれていますが、
ブルームとは革の表面に浮き出ているそのロウ分のことです。
表面にうっすらと白く筋状に見えるのがブルーム。使用による摩擦等により少しづつ消えてゆきます。
私見ですが、英国の歴史的名品にはゴム引きコートやワックスドジャケットなど
防水性を高めるために「擦り込む」「染み込ませる」といった発想から
生まれたオリジナリティの高いものが多いように感じます。
これは雨の多い独特の天候がそうさせたと思っており、ブライドルレザーも
その天候特性から生み出されたものだと考えます。
レザーは雨(水分)を吸収してしまうと部位にもよりますが伸びやすくなってしまい、
更に吸った水分が乾燥すると共に繊維内の油分も一緒に抜け、
結果小さな負荷でも簡単に切れたりします。
そういった脆い点を補うべく繊維内にロウ分を浸透させることにより、
馬具用の革としての耐久性を飛躍的に上げたのではないかと推測します。
そしてそれは生活に馬が欠かせなかった時代の話。
革の性質はそのままに、雨風に晒されることなく使えたなら、
唯一無二の経年変化を見せてくれるに違いないと思うのは私だけではないでしょう。
そんな思いを形にしてくれたのがCOH。
タンナーは明かされていませんが、紛れもない英国産ブライドルレザー。
堅牢度はもちろんのこと、経年変化も美しく何よりツヤ感の変化が出てきて
より美しく育っていきます。
カラーは上から順にブラック、ネイビー、グリーン、ウィスキーの4色展開。
ブライドルの仕上げはセミアニリンが一般的で、表面に少し顔料を使います。
中には表面だけ顔料で着色し、その上にブルームを乗せただけ、といった仕上がりの
なんちゃってブライドルも無数に存在します。
しかしCOHで使用しているブライドルは、染色から芯通しで行っている為、
コバ面も染料や顔料を入れることなく、そのまま丸みを出して素磨きで仕上げても
着色され磨きあげられたたかのような仕上がりに。
細部へのこだわりが、最終的に違いを生みます。
使い始めはブルームをブラッシングや乾拭きで落としていただいてでも、
そのまま使い進んでいただいても大丈夫です。
日常的には手で撫でたり乾拭きをしていただければ十分ですが、
半年に一回程度ロウ成分の入った革用クリームを塗布して磨いていただくと、
独特のツヤを纏った英国紳士さながらのエイジングを味わえると思います。
個人的には英国の国民性や風土をそのまま反映するように、
何も気にせずガシガシ使っていただいて、歳を重ねていく過程を愉しんで
いただけるとよいなと思っております。
どんな悪天候や逆境にも耐えうるよう、先人の知恵から生み出された唯一無二の革、
ブライドルレザー。やわじゃないぜ、といったところでしょうか。
ぜひお愉しみください。
それでは今日はこの辺で。
管理人Y
0 件のコメント:
コメントを投稿