2026年8月2日日曜日

Vol.44 Maison d' Artisan 新モデル Monnaie (モネ)について

 



皆様、こんにちは!!

もはや何もしたくない灼熱地獄、私の知っている風情ある夏は今は何処、

下手すると人命に関わる暑さ。もう少し手加減してほしいところです。


さて、本日はMaison d' Artisan(メゾンドアルチザン)から届いた新作について

ご紹介です。

 がま口 マルチウォレット Monnaie モネ です!!



商品名:Monnaie (モネ) 


今回はFox&Hedgehog Online storeにも初登場の素材、ガルーシャを採用!!

ガルーシャはエイの革で、

18世紀のフランスの革職人ジャン・クロード・ガルーシャが

エイ革を用いた小物や装飾品を制作したことがその名の由来。


一般的な皮革とは一線を画した特徴を持っており、一番はその質感。

表面にカルシウム分の粒が表出しており、無加工ですとザラっとした手触り。

耐久性や堅牢度も高く武具などに使われることが多いです。

その表面を銀摺り(やすりで平坦化)していくと薄くなる分柔軟性が出てきます。

そして中央部に1か所だけスターマークと称される大き目の粒があるのも大きな特徴です。


ただその独特な特徴がゆえ裁断や縫製など加工は非常に難しく、

作り手からは敬遠されがちであまり多くは流通していないのも事実です。

それを今回Maison d' Artisan(メゾンドアルチザン)にお願いし、

オリジナルのクラシカルな口金に合わせて製作していただきました。


中でもガルーシャのコバの加工は縫製と並んで難しいポイントの一つで

磨くか充て革をするかしか術がないのですが、

均一な切り目にするのは難しく、磨きではなかなか美しく仕上がらないため、

とても職人泣かせなのです!ですが、今回メゾンドアルチザンは同じガルーシャを巻いて

十八番のハーフバックステッチを施すという全人未踏の方法で仕上げてくれたのです。

Maison d' Artisan(メゾンドアルチザン)にしかできない技、前代未聞!!脱帽ですね!






デザイナーのセンスが感じられる特徴的な口金は完全オリジナルで作成したもの。

素材は真鍮。ゴールドとシルバーカラーをアンティークフィニッシュで仕上げた

クラシックな面持ちながらどこかモダンな佇まい。

内装はそれぞれ違う素材をチョイス。

ブラック…ブッテーロ ハッチグレイン(牛革) 

 

ダークブラウン …インカス パルマドック(牛革)


バーガンディ  … ブライドル&ピッグスキン(牛革/豚革)


素材のチョイスでこだわった点が1点、「タンニン鞣しであること」です。

理由は以前にも述べたことがあるかもですが、

特にガルーシャは裏張りの素材によって表面のガルーシャの経年変化が変わってくるのでは

ないか?と考えています。

裏張りはクローム鞣しよりタンニン鞣し。

これにより美しいアメ色に変化していくのではないかと。

あくまで仮説ですがその点も踏まえてお楽しみいただけると嬉しい限りです!!

あとは普段のお手入れについてですが、基本乾拭きです。
  • 使用後は乾いた柔らかい布で軽く拭く
  • 水で濡れた場合はすぐに乾いた布で水気を吸い取る
  • 汚れがひどい場合は、固く絞った濡れ布で優しく拭き取る
  • クリームやオイルは不要(くすみや色ムラの原因に)
繊維部にカビが生えやすいので長期保管時の湿気には注意が必要です。




さて、いかがでしたでしょうか?ガルーシャ。

ちょっとひんやりした手触りなのもこの酷暑にはぴったりかもしれないですね(笑)


ぜひデザイン性や触感なども含めてお楽しみ下さい。



それでは今日はこの辺で。

管理人Y







2026年4月28日火曜日

Vol.43 新モデル HEPHAISTOS(ヘパイストス)について

 



皆さんこんばんは。


さて今回の特別生産品コハクロコ コレクションより新しいモデルが1型加わります

小銭入付平札入れ HEPHAISTOS(ヘパイストス)です!

ジップ部は小銭はもちろん、カギや領収書入れとしてもご提案したい比較的ゆとりある大きさ。

カード段は6段。長財布OURANOS(ウラーノス)を開いて背中合わせにしたようなデザイン。
「財布を開く」アクションをなくした現代的な構造。
ここにお札も入れられます。


非常に薄くシンプル。お札、小銭、カードなどを上着のポケットに収納するには

かさばることなく実にスマート。ファスナーのスライダーも引手も平たく加工してあり、

所作をより美しく見せてくれます。

小銭入れ部は領収書入れなどにも使え、マルチコインケースのハデスとセットで持つと

ビジネス/カジュアル問わずかなりのシーンをカバーできるコンビになるかと思います。


実はわたくし自身が普段ハデスと併用で使っている長財布を、開いて背中合わせにして

バッグに入れ、そこから出すことなく札やカードだけを出し入れする使い方をしており、

そこを起点に「財布を開く」というアクションを省いた潔い長財布があっても

いいんじゃないかという思いが形となりました。


財布の新しい持ち方をご提案したくなるようなモデルです。

相変わらずニッチではありますが皆様のイマジネーションを掻き立てる存在になれれば

嬉しいです。



さて、商品名はご存じのようにブランドとの親和性や

ストーリー性を鑑みギリシャ神話にちなんだ名を冠しております。

過去の関連記事はこちら

ブランドロゴ ブランドコンセプト



ヘパイストスはオリュンポス十二神の一柱で鍛冶の神ともいわれておりますが、

わかりやすく言うと「超天才職人」です。

金属を自在に操り、神々の武器や装飾品、機械仕掛けの装置までも生み出すという

驚異の技術力を誇りました。

代表的な創作物には、

・ゼウスの雷霆(らいてい)
・アキレウスの盾
・ヘルメスの翼のついたサンダル

などがあり、神々の生活や戦いに欠かせないアイテムを手がけていました。



生まれつき足の障害や母ヘラの拒絶、美しい妻アフロディーテの裏切り等、

さまざまな困難に直面しながらも、

それらをすべて自分の技術力を駆使して、黄金の玉座など「戒める装置」を作り

困難に屈することなく自らの技術で居場所を築いた神です。

知恵と工夫、そして誠実な努力によって尊敬を集めた彼の姿は、

現代においても多くの共感を呼びますね。


そんな人間になりたいものです。



それでは今日はこの辺で。


管理人Y




2026年4月27日月曜日

Vol.42 素材について(合わせの革 サドルプルアップ)

 



皆さんこんにちは


今回はコハクロコ コレクションの合わせの革についてです。

長らくプエブロを使用してきましたが今回は琥珀というイメージを踏襲したかったので

ある程度のツヤ感が欲しかった。そこで行き着いたのがこちら



サドルプルアップ(牛革)です!

ベルギーの名門タンナー、マシュア社(1873年創業)が手掛ける

タンニン鞣しの上質な牛革で美しい透明感が特徴の一つです。

見てください。コードバンと見まがうほどのツヤ感!そして透明感!!



そのくせコードバンに勝るとも劣らないタフな耐久性を誇り、

表面のトラ(しわ)や血筋からも見て取れるように野性味も満点。

キズなど気にせずガシガシ使用していただきたいおすすめの牛革の一つです。



そしてその名の由来となる特徴がもう一つ。

サドルはいわゆる鞍、馬具を意味し主にそれ用に作られた背景があります。

ですのでもともとは非常に繊維密度の高いカチカチで堅牢な革だったそうですが、

時代の流れに伴い油分をふんだんに含ませ柔軟性を増すことで

広い用途に使えるようにしていったそうです。

この革は曲げたり裏から指で押したりすると油分が繊維内を移動し、

圧をかけた部分の色が薄くなります。

これがいわゆる「プルアップ効果」と言われるもので

名前の由来となった最大の特徴になります。

折り目の部分の色がやや薄くなっているのがプルアップの証(暗い!)

最近は表面に顔料を少し乗せており、

プルアップ効果がはっきりとは見て取れなくなってきておりますが

油分はたっぷり含んでおり乾拭きだけで美しいツヤが出てきます。


今回残念ながら経年変化のサンプルがございませんが、その楽しみも含めて

お楽しみいただけますと幸いです。



では、今回はこの辺で。


管理人Y


Vol.41 素材について(コハクロコ コレクション)

 


皆様、こんにちは。


4月も半ばを過ぎあたたかさが増してきましたね。

夏日もちらほら観測され、もはや春は希少な季節になりつつありますね

そして、アッという間に暑い長い夏がやってくる。。

毎年春は着るものに困りますが、悩んでる間にあっという間に夏が来て、

そのせいか春服が増えることはないという

季節の移ろいを大枠(夏と冬)でしか楽しめない管理人Yです。。


さて本日はコハクロコ(琥珀クロコ)についてです!




その前に琥珀について少々。


琥珀は数千万年前の松や杉などの樹木が分泌した樹脂が地中で固まり、

化石化した天然の有機物です。ヒーリングストーンとしても認知され

浄化や癒しに用いられます。

硬度が低く、火にかけると何と香りを放ちながら燃えるそうです!

写真のようなうっとりするような複雑で深みのある茶色が大きな特徴です。



革の話に戻ります。

前回のアイクロコ(藍染)と同様、ベジタブルタンニンベースのヌメクロコに

琥珀色の酸性染料による染めを施す方法を採用。

もちろん藤豊工業所さんの手によるものです!

手間がかかる分、希少性もコストも高いですが何といっても色味が深いのが特徴!


見てください!斑のひとつひとつに現れる色の濃淡!

鱗ひとつひとつの下側のしわのある部分に色が濃く溜まりこれが立体感を生み出します。

レザーファンの心をくすぐる実に神秘的な色合い。

なぜか心惹かれますよね、この色。

今回琥珀になぞらえて「コハクロコ」と名付けました。



ぜひ、皆さんの手で唯一無二の複雑な琥珀色に育てていっていただければ

何よりです。

次回は合わせの革 サドルプルアップについて。



それでは、今日はこの辺で


管理人Y