2020年5月23日土曜日

Vol.11 素材について(合わせの革 プエブロ サビア)




皆様、こんにちは。


前回に続き、ヌメクロコ/ヌメコードバンコレクションの合わせの革についてです。



もはや説明不要かもしれないぐらい知名度が上がりました、

イタリアのバダラッシ・カルロ社が伝統的なバケッタ製法を

現代に蘇らせ作る銘革の一つ、プエブロです。


100%植物性タンニン鞣し、加えて牛の脚を煮沸して抽出した

「牛脚油」という油分を時間をかけてじーっくり加脂していく、

手間暇かかる製法で作っています。


また銀面(革の表面)に特殊な起毛加工を施してあるのもこの革の特徴で、



彫刻刀の丸刀のようなものでうっすらと無数に刃跡をつけたような、

一風変わった模様で起毛させており、和紙のような質感とも評されますが

とにかく独特な表情をしています。


使用していきますと、表面の毛が寝て光沢を帯び始め、

油分が大変抜けにくいため色の深まりとともにツルツルピカピカになる

という比較的短期間でダイナミックな経年変化が楽しめる革素材として

近年人気を博している革です。

※プエブロ サビアの経年変化の参考画像。左が使用8か月、ケアは乾拭きのみ、右が未使用品です。



今回SEEGERではカラーは表のヌメクロコに合わせて、サビアをチョイスしました。

いわゆるナチュラルにあたる色ですが、意外と他ブランドでは使われていないようです。

(コニャックが多いみたいですね)。




あ、そうそう、もう一つ自分の中での長年の“仮説”がありまして、、

それは、


“表の革は、裏に貼り合わせた革の特性によって経年変化の仕方が変わるのではないか?”


というものです。

これはですね、どこから湧き出たかというと、

以前所属していたレザーブランドで、ガルーシャ(エイ革です)の裏に

植物性タンニン鞣しの革を貼ったタイプと、クローム鞣しの革を貼ったタイプを

それぞれ数年使用したものを見比べることがあったのですが、


ガルーシャの経年変化が明らかに違う(ように感じた)んです。

タンニン鞣しを貼った方が、美しいアンティークカラーに育っており、

もしかしたら油分やタンニンの含有が貼り合わせた革の経年変化に作用している

のではないか?

もしかして裏からジワ~っと油分とタンニンが表に染み出してきてる?

と感じたのが発端です。



とはいえ、2種類作ってヨーイドンで検証するにはいたっておりませんが。。。。
いつかやってみよう!



まあ、そんな思いも片隅に置きつつ、このヌメクロコとプエブロ サビアとの

鉄板コンビネーション、ぜひ楽しんでいただければ幸いです。


では、今回はこの辺で。


管理人Y

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