2020年5月17日日曜日

Vol.6 作りの特徴 その1




皆様、こんにちは。


今日はSEEGER(ゼーガー)革小物の作りの特徴について少しお話したいと思います。


ポイントは2点、貼り磨きです。


まず、貼りについて。

革は一般的に表面を銀面、裏面を床面といいますが、

美しく仕上がった銀面に対し床面は革の繊維がむき出しになっていますので、

触感としてはややざらついていたり、毛羽立っている状態です。

この毛羽立った面を隠すため裏地(化繊が多いでしょうか)を貼ったり、

はたまた質感をそのまま生かし床面むき出しで仕立てたり、と

ブランドによってさまざまです。


しかしSEEGER(ゼーガー)の場合、なんと床面に革を貼ってしまいます。

つまり表も裏も銀面という贅沢な状態にしてしまうのです。



注:1stコレクションの一部のモデルにはライニングを使用しております。






当然厚み、重みが増すだろうと容易に想像してしまいますが、

革1枚をティッシュペーパーと同じ程度の厚みに薄く漉きますので

貼り合わせても1㎜程度の厚みに収まり、非常に軽く、

むしろ1枚革の仕立ての方が重く感じたりするくらいです。


*マネークリップのカードホルダーに免許証を入れた状態。貼り合わせた革の厚みと免許証の厚みがほぼ変わりません。






加えて貼り合わせの際も、革の持つ繊維の方向を同じ方向にして貼ってしまうと、

引き裂き強度が落ちてしまいますので、

繊維方向ができるだけ交差するように貼り合わせます。

それにより強度が飛躍的に増し、耐久性が格段にアップします。


これだけでも、かなりの手間、労力、コストですね。。。


私のつたない説明ですと「そんなの簡単じゃん!」とお思いかもしれませんが、

革を紙とほぼ同じ薄さに漉くこと、1㎜程度で美しく貼り合わせることができる工場は

世界的に見ても稀有なんです。


しかしこれが紳士にふさわしいエレガンス(薄さ・軽さ・強さ)を醸し出す

礎となっています。
(いわゆる神々が宿るポイントですね、ハイ。)



さあ、そしてもう一つのポイント、磨きについては、、、、次回にしましょう。



長々書いても、読むの疲れますもんね。。。。今日はこの辺で。


管理人Y




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