皆様、こんばんは。
先日とあるタンナーさん、、、いや違った。フィニッシャーさんの工場に
お伺いしてきました。
フィニッシャー?と聞いて勘のいい方はお分かりかもしれませんが、そうです!
コードバンを専門に扱う世界屈指の染色加工会社(と称するべきか)、
レーデルオガワさんです!
工場は新しくモダンな印象(2017年に現在の千葉県柏市に移転、新たに建てられたそうです)。
※画像はレーデルオガワHPより引用させていただきました。
コードバンといえばアメリカのホーウィン社のシェルコードバンを筆頭に
近年では革靴や革小物の市場ではすっかり主流となりましたが、
なんと今から75年くらい前にこの革に魅了され、
人生を捧げた方が日本にもいらっしゃったんですね。
先見の明とはまさにこのことでしょう。
それがレーデルオガワ創業者の故小川三郎氏で、
私HPで氏の経歴を拝読いたしましたが、
心を掴まれました。そしてすぐ連絡。。。。
訪問させていただけることになったというわけです。
さて、朝早くから出迎えてくださったのは、
代表取締役の小川雅子さんと専務取締役の飛田英樹さん
(上の写真の中央にいらっしゃるのが小川社長。その右隣りが飛田専務です)。
お忙しいところ恐縮です。。。
お話した印象として、創業者の故小川氏の注いだ熱く深い情熱が世代を跨いで
しっかり受け継がれているのでしょう、
頑固さとは一味違う、良い意味の揺るぎない信念を感じるお二人です。
ここでコードバンについてご存じない方のために少しご説明しておきましょう。
コードバンとは馬のお尻の革で、しかもその革の繊維内に存在する
コードバン層をわざわざカネ面(裏面)から削り出すという、
従来のなめし革とは一味も二味も違う革です。
その繊維密度の高さは非常に高く、「革のダイヤモンド」などとも称されます。
確かに「削り出す」ところなどはダイヤの原石を磨く作業や発掘作業を
想起させますね。
※但し繊維密度が高いとはいえ、その強度が保たれるのは銀面(表面)を残した場合に限るそうです。
この銀面をあまり漉き落としてしまうとその強度は失われるとのこと。これは知らなかった。。。
削り出しの工程写真。使用している機械は足踏みペダルで調整するサンダー(やすり)です。
かなり古い鋳物で60年以上使用されており、今では手に入らない貴重な機械だそう。
コードバンの特徴や製造工程については前出の飛田専務が開設していらっしゃる
YouTubeチャンネルがとても丁寧で分かりやすいので(特に#3~#6、#10)、
ご興味のある方には大変おすすめです。
知った風な口をきいております私も実際のところコードバン製品を
使用したことがありません。いわゆる食わず嫌いです。
理由はそのデリケートさ。傷にも水にも弱いといわれていますよね。
使い込んだ表情は確かに魅力的です。ビカッとした色艶や存在感が
他の革とは全然違います。
でも、ズボラな私は水や傷から守ってあげられるか自信がありませんでした。
しかし今回の訪問で革の特性やケアについてもわかりやすく解説していただき、
個人的にもかなりハードルが下がりましたし、
使ってみようという気持ちになりました。
ちなみに前出のYouTubeチャンネルでも
非常にわかりやすく解説してくださってます。
さて、このコードバン、その部位の希少性や革に至るまでの工程を考えると
非常に特殊な革ですし、それゆえ大変高価です。
ホーウィンのシェルコードバンなどは高級輸入皮革の価格と比較しても、、
何と時にはゼロが1つ違ってきます(!)
しかし今回の訪問のようにその出来上がるまでの工程を目の当たりにしますと、
なるほど納得します。
完成品。写真では伝わりにくいかもですが、とてもきれいです。
ホーウィンのシェルコードバンとはまた違った凛とした美しさです。
長くなりそうですのでその詳しい工程については
次回ご説明いたします。
では、今日はこの辺で。
管理人Y
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