2024年11月14日木曜日

Vol.37 新規取り扱いブランド Maison d' Artisan(メゾンドアルチザン)について


皆様、


大変お久しぶりです。ご無沙汰して申し訳ございません。

おかげさまで何とかギリギリスレスレ活動し続けられております!ありがとうございます。


さて今回この飽和状態の革市場の中で、ひと際異彩を放つブランドと出会い、

お取り扱いさせていただくことになりました!

Maison d' Artisan(メゾンドアルチザン)という新進気鋭のブランドです。


クラフトマンシップの神髄といえばいろいろな要素が考えられると思いますが、

私はその一つに「作り手の衝動」があると思っています。

これを作りたい、よし作るぞという衝動に突き動かされて形になったものは、

えも言われぬ「衝動という風格」を醸し出します。これを纏うモノには実は滅多に

お目にかかれることができません。が!なんと今回見つけました、

それを纏っているモノを!!それがこのメゾンドアルチザンというブランドです。

私の五感にはこの強烈な「衝動そのもの」がひしひしと訴えかけてきます。


ディテールはまあ、「頭おかしいでしょ?」という常識を覆す作り。

にもかかわらず商品としての完成度が非常に高く、

独特の男っぽさ・色気を纏ってもいるのです。


さて早速見ていきましょうか(そう。一番ワクワクしているのは、何を隠そうこの私です)

商品名:Rité(リテ) 



形は和装小物の一つとして知られているいわゆる合切袋とか信玄袋といわれる伝統的な

「袋物」をレザーで作り上げた、パッと見は近年流行りの形です。

一般的に袋物は容量が可変する、ペタンコになったり膨らんだりという特徴がありますが

このリテという商品は素材のチョイスと独特な構造によりハリのある立体的な造形美を

実現、言うなれば”袋物の顔をした鞄”といった面持ちに仕立てられています。

口を絞った時のしわは美しく均一に寄り、素材の魅力を十二分に引き出した陰影が

この鞄の大きな魅力になっています。

コードバンやプルアップ系の革で作ったらたまらんでしょうね!


もう、これだけでもおなかいっぱいになりそうですが、まだまだですよ~


そしてこの袋物鞄の最大の特徴は、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、

前後胴の合わせをスキンステッチで縫製している点です。もちろん手縫い!

「ええっ!?」と思った方、正常です。ご安心ください。

私これ初めて拝見した時思わず目を疑いました!

素材はイタリア・イルチア社の銀付きスエード、アリカンテの銀面。シボ、ツヤ、ムラ、陰影。実に美しいアダルトな表情。根革はクロコ。

スキンステッチは主に靴で使われることが多く、代表的なのが英国靴の

エドワード・グリーンの名靴、ドーバーのつま先にも使われている特殊な縫製技術です

(ちなみにドーバーのスキンステッチは裏側を表面に出して糸が完全に見えない仕様になってます)。

それを何と袋物の仕立てに採用したわけです。常識的にはあり得ない選択ですね。

結果どうなるかというと革の段差がない継ぎ目になりとても美しい筒状になります!

そしてご使用とともにこのステッチが浮き出すような経年変化をしていくことでしょう。


ステッチについてもう一点、根革の部分ですがこれ気づいた方いらっしゃいますかね?


そう!正式名称はハーフバックステッチ(半返し縫い)!めったに見かけないですね!

1本針(通常の手縫いは2本針)で穴を1つ飛ばして裏から1つ戻るという縫い方で

独特の表情になります!


いや~、ここまでくると脱帽ですね!


最後にデザインのアクセントになっているのが、

紐の先端についているユニークなチャーム。スズランの花のようにも見えるこのチャームが

個性を象徴しているようで実にエレガントな唯一無二感を出しています。

ぜひスマートカジュアルやイタリアンなファッションのアダルトな雰囲気の方に

持って頂きたい表情です。


さていかがでしたでしょうか?メゾンドアルチザン

まだまだ書けそうですが文量が多いので

一旦ここで打ち切ってまた次回詳細に触れたいと思います。

今後しばらくは1点物として仕様や素材を変えて展開していく予定です!


Maison d' Artisan(メゾンドアルチザン)、どうぞよろしくお願いいたします!



それでは今日はこの辺で。


管理人Y